FAQ よくある質問

初めてのマイホームをご検討中の方には、お金、不動産、設計のことなど、分からないことがいっぱいあるはず。
そこで、当社のお客様より度々ご質問いただく疑問や不安をQ&Aでまとめました。
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新潟の犬と住む家

犬と住む家には、どんな家がいいですか?という質問をお受けし「犬と住む家」についてお話します。

ペットは家族の一員です。ただ、同じ動物ではありますが、生態学的な違いがそもそもあり、人間が快適に住んでいる家が、ペットにとって必ずしも良い環境とは限りません。最近、ペットのためにリフォームしたり、ペットありきで家づくりを考えるお客様が増えています。

ペットと家族が、共に快適に暮らせる家づくりについて、今回考えていきたいと思います。ペットといっても、犬、猫、鳥、ハムスター、金魚、昆虫、爬虫類など挙げれば、きりがありませんが、特にペットとしてお馴染みの犬と猫について、4回に渡ってお話していきます。

今回は、「犬と住む家」についてお話していきましょう。


「犬派と猫派はどっちが多い?」
飼われているペットは、圧倒的に犬と猫が多いと予想できます。果たしてどちらが多いでしょうか。2016年の統計では、犬です。犬の飼育頭数は9878頭で猫が9847頭。僅差で犬が多いことがわかります。しかし、その差がわずかだけに、どちらがという判断には、もはや意味がありません。犬も猫も好きな人もいますし、ブームによって大きく変わります。

両者は、古くは江戸時代からすでに人間と生活を共にしています。ペットに関する話題は多く、メディアや記事に見かけない日はありません。それだけ、人にとって、ペットは単なるかわいい動物以上の存在といってもいいほどの興味と親近感を持っていると言えます。

【人気犬種ランキング】
1、プードル
2、チワワ
3、ダックスフンド
4、ポメラニアン
5.、柴犬

人気の犬種を見ると大型犬よりも小型犬を中心に人気があることがわかります。

犬の主な飼育場所 2014年→2016年
主に室内 80.5%→ 83.6%
主に室外 13.3%→ 11.5%
 
 犬の主な飼育場所の変化を見てみると家の中で暮らす犬が増えている傾向があるといえます。昔の番犬と言う存在から共に暮らすパートナー、家族と言う存在に変わっていることもわかります。

 犬との暮らしで、特に重要な2つの大事なことがあります。ひとつは、しつけのしやすい家の設計をするということ。ふたつめは、犬の生態についてよく知ることです。


「しつけのしやすい住宅とは?」
 犬との暮らしの中で起こる悩みやトラブルは大抵しつけで解決ができます。鳴き声による近隣のトラブルや抜け毛など室内の汚れなどは、間取りの工夫や家の設計によって簡単に解決する問題があります。

○犬の吠え
 現在、約9割の犬は室内で家族と一緒に生活しています。犬と暮らすトラブルの大半は犬の吠えが占めております。住宅の設計において吠えへの対策は必須です。散歩や遊びを通して犬の欲求不満を発散させつつ、犬にとって「家=安心できる空間」となる住宅にすることで、吠え問題は改善できます。

 具体的には、住宅は、大きな道路から遠ざけた場所に配置します。犬には縄張りを守る習性があるので、居住空間の中に道路に面している部分が多ければ多いほど警戒心を募らせ、過剰な吠えの原因となります。そのため、なるべく人通りの多い道路など騒がしい場所から遠ざけて外が見えないようにすれば、犬も落ち着いて過ごせます。マンションや住宅密集地の場合は、玄関扉や窓から見える人や車に反応して吠えないよう、配慮が必要になります。

 また、網戸と窓の配置に最も注意が必要です。飼い主の留守中に退屈しないよう、景色が眺められる窓を設けると猫は喜びますが、警戒心が強い犬にとって逆効果となる恐れがあります。ある程度、外界から遮断された環境になるようにしましょう。また、網戸は激突防止策が必須です。さらに、中庭のスペースが取れる環境にある場合はルーフテラスやコートハウスなどを配置することも良いと思います。

○室内犬の増加による部屋の傷、汚れ防止策
 室内で暮らすようになってから、生活に様々な変化が見られるようになりました。一般的な住宅は室内で犬を飼うことも想定していないため、至る所に不具合が生じています。例えば、犬の食事場所やトイレなどが人間の生活導線の邪魔になってしまったり、家の中では靴を履いて暮らす日本特有の生活様式のなかで、畳などは犬の爪で傷が付きやすく、靴と足に対応していない一般住宅用フローリングは滑りやすいものが多く、犬が足を痛めることもあります。また衛生面でも、室内に溜まる抜け毛や床や壁の汚れは清掃しやすい素材ばかりではないため、汚れが落ちにくかったりします。

 例えば、散歩から帰ってきたら犬の足を清潔にしてから家に入る必要があります。そこで、玄関近くに犬の足洗い場や足拭き婆があると便利です。できればシャワーをつけて、全身泥だらけになった場合でも洗えるようにすると良いでしょう。散歩は毎日のこと、洗いやすい位置などに気をつけるとストレスは格段に減ります。また、一口に犬といっても大きさや形の長さ、よだれの量など、部屋が汚れる原因や規模は、犬種によって大きく異なります。犬の特徴ごとに掃除しやすい材料を選ぶと良いでしょう。

間取りの工夫と設計で解決する ‐ 犬の生活する場所

〇食事場所
犬の食事場所は、1箇所に決められ、食器類の一部が常時おかれていることが多いです。ダイニングやリビングに設定されている場合やキッチンのシンクに近い場所にもあることが多いようです。犬の食事の準備と給水をキッチンで行うため、利便性が優先された結果であり、人と同じタイミングで犬に食事を与える家庭も多いからです。ただ、キッチンは危険です。犬にとって健康上よくない食べ物を、キッチンの床に落ちたことで食べたり、ゴミ箱から出してしてしまうことが考えられるからです。キッチンには犬の出入りを制限するペットゲートを設置することが良いでしょう。高さがあり、ペットがゲートで鼻を打ってしまわないようなキッチンからリビング、ダイニング方向のみの開き戸がよいでしょう。

〇トイレ場所
 犬の排泄行為は、散歩で済ませるのではなく、室内に専用のトイレを設けましょう。ポイントは、犬の寝床や食事場所からは離れた、落ち着ける場所に、サイズにゆとりを持った大きなトイレを置き、健康状態の把握のため、人の目が届きやすい位置に設けます。用をたすときに鼻が壁に当たると使わなくなってしまうこともあります。トイレは犬がまっすぐに入ってそのまま出られるように設けるのがベストです。壁床材は、メンテナンスしやすいタイルなどがおすすめです。尿が染み込みにくい樹脂製などもあります。

〇寝床場所
 基本的に犬は飼い主の見える場所や、飼い主と一緒にいることが大好きです。人間の寝室に犬用の寝床を作って一緒に部屋で寝るケースもあります。一方で、柴犬などのように飼い主とある程度距離を保つことを好む犬種もいます。彼らは、少し暗くて入り込める場所も用意してあげると、静かに引きこもって喜ぶはずです。

〇安心できるリビングダイニング
 多くの人は、動物と家の中で暮らすことに慣れておらず一般的な日本の住宅では動物と同じ空間で生活することにより室内が雑然としてしまい、ペットと暮らすことで得られる本当の豊さより、ストレスになってしまっている場合があります。家族はもちろん、犬にとっても心地の良い空間としてリビングダイニングを設けることが良いと思います。
 具体的にはリビングの一角に、雷などに怯え犬か逃げ込めるスペース「ドックスペース」を作ると良いでしょう。また、人の視線と犬の視点が向かい合わせにならないような場所に配置することで、犬がリラックスできる空間となります。床が常に清潔に保てるよう、清掃性を考慮した素材を使い、飼い主が掃除しやすい広さも確保しておくと良いでしょう。

〇遊ぶ場所
 犬はいくら十分に散歩していても、若いうちは力が有り余っているので、ある程度運動できるスペースを作っておくと良いでしょう。犬は上下運動が苦手なため、段差のない走り回れるスペースを確保する必要があります。狭小住宅でも、建物の中でも、対角線方向を有効に活用すれば、段差をつけずに室内ドッグランを設けることができます。こういったスペースは普段は、収納に活用できます。また、屋上や庭など屋外で遊べるような環境かあれば、犬は喜びます。ただし、脱走やいたずらに注意して柵などをつくりましょう。

〇犬が気持ちよく過ごすための設備
 人が快適に過ごせる温度、湿度を保つ事は、犬が快適に過ごすことにもつながります。犬が最も快適に感じる温熱環境は、犬種にもよりますが、気温10〜25度、湿度50〜60%と言われています。犬は舌からの気化熱により体温を調整するので、温度だけでなく湿度管理も重要です。犬は特に夏が苦手ですが、設備やプランニングを工夫して夏も冬も快適な居場所を実現しましょう。

〇犬が喜ぶフローリング
表面が円滑なフローリングなると床材は、犬にとって好ましくないのが常識です。しかし犬種によって、体の大きさ、手足の作り、肉球サイズなどが異なります。生活によって肉球の乾き具合も違うものです。最適な床材は一概には言えませんが、飼い主の暮らし方にあった床材を選ぶことも重要です。平滑で硬い床では犬が走って滑るので、遊ぶ場所だけでも滑りにくい床材を選びましょう。
 具体的には、犬が好きなのはカーペットや畳です。カーペットは滑りもしないため犬にとって最適な床材だといえますが、掃除がしにくいと言うデメリットがあります。また、畳は傷がつきやすい傾向があります。清掃性が良いのはタイルや土間屋です。ただハウスダストや匂いが残りやすいと言うデメリットもあります。また、柔らかい感触で滑りにくいコルク材は犬にとっては安心できる床材です。しかし、傷つきやすく、大型犬が激しく運動すると表面がえぐれてしまう可能性もあります。犬よってはほったり、かじったりしまう場合もあります。材料によるメリットデメリットを把握しおきましょう。



まとめ

 人間と犬が生活を共にして快適に暮らすには、犬の様々な特徴を理解し、環境や材料を整えることによって実現ができます。ただ、かわいいと言うだけでペット飼うことが動機であっても良いですが、その後、犬、そして人間がストレスを感じ、生活が不便になってはもともこもありません。ペットを飼うと同時に、家の設定や配置、材料を工夫するが必要です。