昨日、クロネコでおなじみのヤマト運輸の「宅急
便」の先代社長、小倉昌男さんが亡くなられた。
私が尊敬する経営者のお一人でした。
ご冥福をお祈りいたします。
私と小倉さんとの出会いはこの一冊でした。
「小倉昌男 経営学」
壮絶な「官VS民間」の物語
プロジェクトXにもなった有名な話・・
今までどの会社も考えなかった
個人宅配市場への開拓。
それは個人宅配を独占的にしていた郵便局への挑戦といってもいい。
実際、ヤマト運輸の場合も、郵便局や運輸省と闘って宅急便を作り上げた。
未開地を切り開いていくには相当な根気と能力が要る。
しかも、それを思いついくきっかけになったのが「吉野家の牛丼」というから驚きである。
新しい企業を起こそうと思ったときにヒントを見つけるのはいいが、
「自分の頭で考えないで他人の真似をするのが、経営者として一番危険な人なのである(P273)」。
商品やサービスにはその時々に流行がある。
一つの物がヒットすると似たモノが出てくる傾向がある。
あとから出てきたモノはその企業「らしさ」が抜けてしまい、その流行が過ぎると共に消滅してしまう。
・小倉昌男氏の経営理念
小倉氏の経営理念で忘れてはならないものがある。
まず、『全員経営』(P55)である。
これは従業員を信頼することから始まる。
そもそも宅急便の配達の仕事は外に出ていることが多く、しかも個人作業であるため信頼の元で成り立つ仕事である。
全員経営で重要なのは、会社であれば社長を含め社員全員が自分の行動に責任を持ち、考え、実践することである。
そうすることで企業全体の質を高めることができる。
これは当たり前の企業の形であるようであるが、実際実践している企業は少ない。
「人柄を評価することにした。(P261)」
「ピラミッド組織からフラットな関係へ(P266)」
ということからも社員は「モノではない」という
小倉昌男氏の経営哲学が、『全員経営』につながるのである。
次に、『サービスが先、利益が後』(P132)である。
この言葉を読んだとき、ヤマトはなんて自信のある会社なのだと思った。
普通なら、利益を優先にして、その範囲でサービスをするのだと思う。
しかし、サービスがよければおのずと利益は出てくるといった態度である。
ヤマトをこのような態度にさせたものは何だったのだろうか。
これはお客第一という信念だと私は考える。
お客第一というのはサービス業の核心ではないだろうか。
お客が配達を頼む→お客第一として対応をする→荷物を1日で届ける→配達先にもお客第一として対応する→配達先のお客が好感を持つ…そうなると配達を頼んだ客と配達先のお客が周りに広め、どんどん宅急便を利用する人が増えてくる。
ヤマトとお客にとって良いサイクルが成り立つ。
最後に
小倉昌男氏によるヤマトの経営は「従来の会社」という概念を崩した。
宅急便という誰もやろうとしなかった異色の事業。社長が頂点のピラミッド型の組織からフラットな組織。経営状態をチェックする労働組合との関係。
行政との苦闘。
クロネコが描かれていて、形も他のものと違い、街中を走っていても目立つトラック。
それら全てに納得できる。
後々、スキー宅急便、ゴルフ宅急便、クール宅急便、コレクトサービス、ブックサービスというサービスができたが、これらは全て宅急便が根底にあるサービスであり、当初の「メニューを絞り、個人の小荷物しか扱わない会社、むしろ扱えない会社(P73)」という真髄を守っている。
個人宅配企業=宅急便を不動のものとした小倉昌男氏の経営は学ぶことが多い。
この本から学んだのは、企業経営は時代によって変化させなければならないことである。
しかも、表面上のものではいけない。中身(質)があって初めて企業として機能する。ということ
これからもっと勉強していきたいと思う。
千癒の家(株)わいけい住宅代表の中山です。 家は人生で一番長く家族といる空間です。
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